もっとも怖い【固定概念】の落とし穴 

すばり、あなたは「怖いもの」はありますか?
私はあります。

【固定概念】の落とし穴です。

 

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寺町商店を開店して5カ月。


番頭として考えるのは、みなさんがどんな思いでいらっしゃり、何を必要とされていて、私どもはどんな「善き時間」をお届けできるだろうかということ。

オンラインショップという特性上、お客様おひとりおひとりの表情を拝見することはできませんし、お心を深くまで想像したとしても、答え合わせはできません。

想像に想像を膨らませて、商品の向こう側にあるみなさんの喜ぶ姿を頭に描くのですが……

ここのところ、どうもうまく想像できなくなっていたのです。



そんなある日、我が父の姿がふと目に浮かびました。

自動車の修理工場を営みつつ、仕事以外の時間をほぼ「魚釣り」に費やしてきた父。

そんな父が還暦を迎え、修理工場を畳み、母の希望する岐阜県の山奥に移住することになりました。

「山奥に引っ越すっていうのに、船をいつまでも手放さないのよ!いざとなったら、私ではあの船をどうすればいいのかわからない」

と母は心配しきりでしたが、私は、「父から船をとってしまったら、心に穴が開いてしまうのではないか」と不安視していました。


しかし、移住して数年後のある日、「ようやく船を手放してくれた!」と母から喜びの声が届きました。


父といえば「海、船、魚」という、私の【固定概念】をよそに、父は山奥での暮らしを満喫し始めていたのです。

船の上で長らく培ってきた「アマチュア無線」をフル活用してどんどん山の友人を増やし、

さらに、修理の技術を使って、近所の人の壊れた草刈機を直し、いつしか父の小さな作業場は、農工具を直してほしいと言ってくださる人たちがひっきりなしに訪れる社交場となっていきました。

おかげさまで、父は今も意気揚々と暮らしています。


私の中の【固定概念】をはるかに超え、自分の力で這い上がって、人生を楽しむ父。

そんな父のエピソードを思いだし、私は今【固定概念】に縛られ始めていたのだと気づきました。


寺町商店は、こういうものだ。

こんな商品は、気に入ってもらえないだろう。

この商品を、こんな使い方をする人はいないだろう。


始めた当初は、寺町商店の骨組みを作ることに必死になりすぎていたのでしょう。

いつの間にかこびりついた【固定概念】によって、想像力が欠如し始めていたのです。


自ら掘った【固定概念】の落とし穴に、
自分も気づかぬうちに落ちている。


【固定概念】の恐ろしい点は、自分ではその存在に気付きにくいところではないでしょうか。
誰が仕掛けたわけでもなく、「自分の思い」ひとつが仕掛けた落とし穴なのに。


「父のように『手放す』ことができたら、次の世界が開けてくる。」

そう父のエピソードに後押しされ、ようやくどん底から這い上がり辺りを見回すと、寺町商店にも【固定概念】を外して、目覚ましくご活躍されている方がいらっしゃいました。

 

 

沖縄県でコーヒー豆を販売する、サントグラノス・島田聖子さんです。

当初は、「豆の保存方法から何まで、とにかく鮮度を大切にしてほしい」という思いから、極力飲む直前に豆を挽いていただきたいと、コーヒーを豆の状態で販売するスタイルを貫かれていました。

しかし、

「目の前のお客様は、ご自身のスタイルでコーヒーを楽しもうとされている。コーヒーから幸せを産みだそうとしているお客様のリクエストであれば、最大限に寄り添うべき。」

と、自身の「スタイル」という【固定概念】を手放して生まれたのが、寺町商店でも人気の、お湯とカップがあれば簡単にいただける「ドリップコーヒー」でした。


「まずは、どんな人にもコーヒーにチャレンジする機会を。」


そんな島田さんの勇気ある決断から生まれた「心整う”ドリップコーヒー3種セット(8袋入り)」は、一口飲むと、コクのある深い味わいと豊かな香りが広がり、心地よい余韻が続き、まるで大地の恵みを感じるような、一杯の贅沢な時間が訪れます。

 

そしてその先には、「自ら豆を挽いて淹れたコーヒー」を試すのも、また善きものです。

サントグラノスは、季節に合わせた浅煎り・中煎り・深煎りの「”心整う”Coffee豆 65g×おまかせ3種セット」もご用意しております。

 

 

ドリップコーヒー同様に、この3種セットで「自ら豆を挽いて飲み比べ」から始められると、より深くコーヒータイムを楽しんでいただけると思います。

どなた様も、ぜひ一度お試しください。
島田さんが、【固定概念】をは外し、お客様の心を考え抜き研ぎ澄ましたお味、それはそれは格別です。

さて、私も島田さんを見習って、カチカチの固定概念を外してもう一歩前へ。落とし穴に気をつけながら、みなさんの「心の声探しの旅」に再び出発します!