ナーランダ出版・寺町商店担当の志保です。
8月に入りましたね。福厳寺のある東海地方は、日中は40度に迫る身体にこたえる暑さに見舞われています。みなさんのお住まいの地域は、いかがですか?
しかしここ最近は、朝晩に涼しい風が吹く時もあり、同じ夏でも、季節は刻々と移り変わっていると感じます。
私は、今年の入梅の頃、咳が止まらなくなり病院に行くと、「梅雨時期に起こる喘息(ぜんそく)」と診断されました。
梅雨時期は、湿気によるカビ・ダニが発生しやすく、各所でエアコンを使い出す頃のため、アレルギー体質の人は、どこへいってもそういった物質に反応してしまうとのこと。
「体質を根本から治す薬はない」といわれ、しばらく様子を見ることにしましたが、夏が深まるにつれ、気づけばまったく咳はでなくなっていました。
その時も、私たちを取り巻く季節や環境、そして自身の身体は、常に変化し続けているのだ、と大変感じ入ったものでした。
仏教の出発点は、生きるすべての過程が苦であるという教え「一切皆苦(いっさいかいく)」です。
「苦」とは、単に苦しいことだけではなく、「思い通りにならない」という真理であり、それを知ることが大切である、とお釈迦さまは教えています。
「苦」は8つあるとされ、そのひとつに挙げられているのが、「病」(病気の苦しみ)です。
でも、できることなら「病」の苦しみは避けたいと望んでしまうのも、また人間ですよね。
「自然に逆らわずに生きる、それが長生きの秘訣です」
先日、岐阜県にある薬膳専門店 微笑亭(みしょうてい)を取材させていただいた際に、オーナーの薬学由蓮(やくがくゆいれん)さんがおっしゃった言葉が思い出されます。
「薬膳」は、「未病(病には至らないものの軽い症状のある状態)で、いただいた命を長く保つ養生」を基本とする、中国の伝統医学です。
由蓮さんは、いいます。
「人は、自然摂理に逆らわず暮らすことが大切です。未病のうちに、家庭で改善できる食事を伝え広めたい」と。
病は、音もなく私たちに忍び寄るように感じますが、じつは、私たちが季節や環境の移り変わりに気づかず、特に身体をいたわることもなく、『未病』を見過ごしているのかもしれません。
由蓮さんの、地に足のついた薬膳のお考えを聞き、薬膳の奥深さと必要性をひしひしと感じました。
暦の上では、夏はもうあと少し。
この季節の移ろう時期に、「一切皆苦」の教えを忘れることなく、薬膳にならい、自然摂理に沿った健康的な暮らしを始めてみるのもよいのではないでしょうか。
寺町商店・番頭より、心からおすすめいたします。
◉微笑亭|「涼」を身にまとう薬膳茶(10包入)
岐阜県不破郡垂井町(たるいちょう)に店舗を構える薬膳専門店 微笑亭(みしょうてい)より、初秋〜秋分の季節に合わせた、薬膳茶10包セットです。
「未病のうちに、家庭で改善できる食事を伝え広めたい」
オーナーの薬学由蓮さんの思いを元に、暮らしの中で、手軽に薬膳が取り入れられるよう、お茶の形で整えました。
夏が終わる前に、猛暑下で汗とともに失った「元気」の補給をしましょう。
季節に合わせてご用意しておりますため、季節限定商品となります。
あなたもこの機会に、”ゆっくり薬膳ライフ”を始めませんか?